趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

久しぶりに電車の中で涙、です。

「月島慕情」(58/122)
 
浅田次郎は好きですか? 
泣ける小説は好きですか?
 
二つの質問にNOの読書マニアの方は、
一度、文庫版の本作品、巻末の桜庭一樹の解説を読んでみてください。
それでも、読みたくならないならば、その判断は正しいと思います。
でも、個人的には、
是非とも読んで欲しいです。
 
実は、この短編集はクリスマスの時期でリンクしてるんです。
そう「クリスマス」じゃなくて「クリスマスの時期」です。
その設定が絶妙です。
 
表題作「月島慕情」は大正時代の吉原の遊女の物語。
悲しくても、
切なくても、
惨めでも、
そんな感情を乗り越えて、
凛々しく生きることが人が人であることである。
そんなミノに涙、です。
 
お通夜の現場で繰り広げられる「冬の星座」。
人のためになるために生きていくキヨノの偉業は、
死して尚、人の心を打つ。
その潔さに涙、です。
 
とある『リストラ』サラリーマンが主人公の「シューシャインボーイ」。
戦後間もない、どん底の時代は、今よりも心で生きていたんだな。
キクジという、途轍もなく強い人間の、
生き様に涙、です。
 
その他「供物」「雪鰻」「インセクト」「めぐりあい」も、
実に読んでいて、清清しい思いにさせてくれます。
 
その涙と並列で、
全ての作品にさりげなく流れるユーモアが、
より読者の感動を呼ぶことに間違いはないと思います。
 
生きるいる限り、
楽しいこともあり、悲しいこともある。
でも、生きていることが一番大切なんだな、と。  
 
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから

月島慕情 (文春文庫)

月島慕情 (文春文庫)

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