軽妙で、且つ奥深く楽しめるミステリ
「検死審問 インクエスト」(59/122)
帯に書いてあります、
乱歩が称えた傑作長編。
1940年の作品です。
なんと戦中ですよ、これ。
でも、
全然、古くない。面白い。凄い。楽しい。
本編、ちょっと変わった構成になっています。
主人公の検死官を中心に「台詞」会話形式で進められる公判のシーンを軸に、
様々な表現方法、口述筆記の読み上げ、手紙、独白、告白、回想、
主体、客体が交錯する中で、
読者は事件の全容を
あらゆる角度から、様々な立場から、異なる時系列で、
読み進めていくことができる。
うまい。
本当にうまい。
ワクワクしながら頁をめくる。
そこには確かに殺人事件が存在しているだけど、
まあ、この際、
事件の解決はおいといて、
純粋に文字を読む楽しみを堪能しましょう。
そして、
登場人物のキャラクターと、その人にまつわるエピソードも秀逸。
特に芝刈り人は素晴らしいです。
冒頭ですが、それ読むだけでも、この作品、価値あり。
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: パーシヴァルワイルド,Percival Wilde,越前敏弥
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2008/02
- メディア: 文庫
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