SFの楽しさ
「塩の街」(60/122)
海読んで、
空読んで、
やっと塩にたどり着きました。
有川浩のデビュー作です。
SFって、(書かれた時点では)嘘がひたすら書かれています。
その嘘が、
真っ赤な嘘で攻めてくる作品もあるし、
ホントみたいな嘘で積み上げてくる作品もあります。
で、本作品は?
これは、良い意味で「都合の良い嘘」ではないでしょうか。
実は嘘そのものに重きはなく、
その嘘の世界で生きる普通の人たちの為に書かれた嘘であり。
次々と人間が「塩」になって死んでいきます。
理由は?
東京湾に落ちてきた塩の巨大な塊のせい?
そんな世界をサバイバルする女子高校生と元自衛官の不思議な生活が、
前半は淡々と描かれてます。
そして、
後半は有川の真骨頂(って僕が思っているだけですが)・自衛隊シーン。
全体的に、言い切っていない感じが良い。
結末まで85%くらいの所で打ち切る潔さ。
残り15%は文章の勢いと読者の頭の中の余韻でフォロー。
この手法、SFだから成立するのかも。
出来れば外伝で、
塩の塊そのものに関する物語、読んでみたいです。
でも、やっぱ、余計かな。
で、最後に、この物語、とてつもない恋愛小説ですから。
お楽しみくださいまし!
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: 有川浩
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2010/01/23
- メディア: 文庫
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