趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

新興宗教って、何だ?

夜想」(73/122)
 
あの「慟哭」から17年、ですか。
 
貫井が、改めて、新興宗教を書く、と聞いたら
読まないわけいかないです。
あの感動を。
読者が受けた圧倒的な衝撃を。
本作品では、どうするんだ? 
 
交通事故で一瞬に妻と娘を失った男の魂が、
ある女性との出会いで、
変化していく。
その不思議な力をもった女性への周囲の願い。
そして、その女性自身の願いが凝縮され、
たまたま、新興宗教(のようなもの)が生み出される。
 
実に新興宗教を丁寧に真正面から描いています。
そう、今、この世の中にある事実として。
誰もが知っているけど、
よくは知らない(もしくは知ろうとしない)事実。
 
でも、そこには、
救われたいという根源的な願いと、
救いたいという純粋な想いがあるだけなのしれない。
が、しかし、
それだけで世の中の事実は動かない。
そこを抑えたトーンで書き連ねる貫井は、すごい、すごすぎる。
 
救われたい人、は救い、
傷つく人、は傷つける。
そのバランスを保つために宗教があるのならば、
新興だろうが、クラシックだろうが、
必然なのかもしれない。
 
 
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから

夜想 (文春文庫)

夜想 (文春文庫)

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