巧い。こんなにベタなのに、巧い!!
「武士道シックスティーン」(75/122)
本当に巧い。
解説の金原瑞人も書いているが巧い。
巧すぎる。
内容はいたってシンプル。
ベタに書ける。
剣道に青春をかけた女子高校生二人の物語。
もちろん、その二人の性格は正反対というベタな設定。
青春には夢もあるし、挫折もある。
それを乗り越えて、
ふたりは友情を深めていく。
こう書くと、絶対に面白くない小説でしょ。
なんか陳腐なケータイ小説でも書かれないようなお話かと。
何年前の少女マンガだよって感じ。
間違っても読みたくない。
でも、違うんだよね。
あの、「ジウ」「ストロベリーナイト」の誉田哲也が描くベタな青春は違う!
負けて、悔しくて、あきらめて、でも好きで、思い出して。
そして感謝して。
勝って、嬉しくて、前に進む。
そんなベタな展開が、これほどまでの心に浸み込むなんて。
すごい。
映画化されますよね。
勝気で男っぽい香織=成海璃子。
天然で真っ直ぐな早苗=北乃きい。
ナイスキャスティングだと思います。
でも、映像化は、きっと恥ずかしいくらいベタだと、、、
やっぱ、文字で感じよう。
この青春の輝きを、辛さを、痛みを、喜びを。
で、本作品の中で、
青春時代だけじゃなくて、何歳になっても大切なことが書いてありました。
「・・・
その好きだって気持ちと、
勝負の不安を天秤にかけるんだ。
不安の方が重かったら、
それは、やめといた方がいい。
・・・
好きだって気持ちの方が重かったら、
そのときはもう、
やるしかないんだよ。
・・・」
まだ、青春して、許してくれますか!!!
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: 誉田哲也
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