趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

心、揺さぶられたよ

「失われた町」(90/122)  
 
 

 
誰のために生きているのか?
そして、
何のために生きていくのか?

という問いに対する答えを、
こういう近未来ファンタジーで攻めてくるとは。
やるね、三崎亜記
 
本作品、恩田陸っぽいと思う読者も多いのではないでしょうか。
この、最初は全く掴みどころがない設定を、
いきなり読者にメチャぶりしつつ、
徐々に、物語全体のフォルムを見せ付けてくる構成。
確かに、似てる。
 
でも、ちょっと違う。
三崎は、明確なテーマを早い段階から天高く掲げている。
本作品の場合、
端的な言葉で言うならば「生きる目的」となるのか。
それを、
ファンタジーなSFテイストに仕立てることによって、
ジワジワと読む人の心に染み入るように、
あまりも強いテーマだから、
そういうギミックで、
衝撃的にしない工夫をしてくれているのでは。
 
そう、読者に優しい。
恩田は、逆に読者に厳しいと思う。
  
本作品のアウトラインは、
その世界では(多分、5〜60年後の地球?)、
ある町の住民が突然全員消えてしまうという事象があり、
それの対処法を人生をかけて求め続ける人たちの物語。
 
って、意味不明だと思うので、
読んでみてください。
深夜、何か美味しいものでも飲みながら、
ゆっく〜り読むことをオススメします。
感動しちゃいますよ。
 
  
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから

失われた町 (集英社文庫)

失われた町 (集英社文庫)

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