若さとは、苦しさと比例する
「ソロモンの犬」(96/122)
道尾クオリティ満喫。
青春、若さが息苦しいほど伝わってくる。
こんな大学生活、送りたかったよ。
悩める男達、女達、そして犬の生き様を、
見事なミステリに仕上げてあります。
仲良し(?)大学生4人組(男2女2)が主軸の物語。
4人が仲よくしている、ある教授の小学生の子供(男の子)が交通事故で死んでしまう。
その時、彼は飼い犬の、そして「親友」のオービーと一緒だった。。。
この事件をキーポイントに、
ドラマは過去から、今へ。そして未来へ続いていく。
本作品、交通事故の真相を説くのがメインテーマではありません。
この事件をきっかけに、
この事件の周囲の人物の、
生きてるだけなのに、絡み合って、こんがらがってしまった感情の糸が、
顕在化し、そして、最後には解けていく。
解くときの苦さ、切なさが、若さの代償なのでしょうか。
でも、その代償は、喜んで払いたいです。
事件には、かならず終わりがあります。
終わらない事件は、事件じゃありません。
終わり方にも色々とありますが、
大体は、、、悲しいんです。
でも、時々ですが、、、そこに期待しちゃうのが若さなのかな。
もの凄い物語のサイドチェンジ(敢えてドンデン返しとは言いません)があります。
読者は、呆然とすることでしょう。
この気持ち、たくさんの人に味わってほしいです。
このタイプの読書の醍醐味、なかなかありませんよ。
オススメです。
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: 道尾秀介
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
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