設定の妙
「カッコウの卵は誰のもの」(102/122)
東野圭吾のスポーツもの。
ウィンタースポーツが好きなのかなぁ。
本作品はスキーです。
で、遺伝子とスポーツの関係というテーマから、
親子の関係ミステリが展開されます。
妻の自殺の原因追求から明らかになる、
娘の出生の謎。
その謎は、国際大会で活躍する一流スポーツ選手でしかあり得ない。
その設定の「強引」さが東野の真骨頂だよね。
非常に複雑な背後設定を、
いかに無理なく、軽やかに書き綴るか。
だって、普通の夫婦ならば、
夫がちゃんとした、優しくて、良い人ってことならば、
妻の最初の子供の出産時には立ち会うでしょ。
その瞬間は無理にしても、
とにかく病院に産前、産後、行っているはずです。
その常識を完全に覆すことから始まる物語です。
巧いな〜
アルペンスキーの日本代表だった主人公。
その娘も親の「血」を引き継いでアルペンスキー選手に。
そんな娘に脅迫状が。
また、時同じくして、娘の出生の秘密をしる人からコンタクトが。
偶然?
そして故意にしかけられた交通事故が発生。
一体、誰が被害者で、誰が加害者なのか?
それぞれの思惑の中で、煮え切らない状況が急展開する。
もう少し企業スポーツについて
深く書いてもらっても良かったかも。
ま、東野には、
ついつい要求が大きくなってしまいますよね。
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: 東野圭吾
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2010/01/20
- メディア: 単行本
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