家って何?
「家日和」(104/122)
無意識の段階で、
家を箱として語る人がいる。
家をそれを構成している人間関係の総称として語る人もいる。
家と家庭と家族を同義前提として語る人もいる。
それは、その人の人生や哲学によって決まるのかと思う。
それは別に問題ではない。
でも、それぞれの家についての認識が
同じなのか?異なっているのか?
それを確認しないまま、
コミュニケーションをしていくのは危険だと思う。
本作品は短編集。
ネットオークションにはまる主婦の家。
会社が倒産し突然「主夫」となった男の家。
妻が出て行ったのを契機に自分の城を作り上げる男の家。
内職での出来事を夜な夜なエロティックな夢に昇華させることに楽しみを見出す主婦の家。
山師の夫とイラストレータの妻の家。
ロハスにはまる妻とそれに対して軽くレジスタンスする夫と息子のいる家。
ここでの家は箱としての家として書かせてもらうが、
その箱に集う人たちが繰りなすドラマは、
すべて2000年代の家を風景である。
どの家も素敵だ。
幸せか不幸かは知らないが、素敵だ。
読んでいて憧れる。
その立場になりたいか、と問われれば否と答えると思うが、
傍観している分にはパーフェクトかも。
そんな21世紀の家がある。
箱がその中の人を決めていくのか、
人が箱を変えていくのか。
難しいところだ。
最後に一言。
奥田英朗、ナイス!
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: 奥田英朗
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