本当に上手な小説なんだな
「後巷説百物語」(145/122)
京極、凄い。
夏彦、ヤバい。
これほどまでに完成度の高い作品、
滅多にありません。
巷説百物語、続巷説百物語の後をうけ、
時代はググっと進んで明治維新の頃。
妖怪は、
相変わらず人々の中に、
そして世の中に、
生き続けているのです。
蛇?謎の島?山男?光る鷺?
そんなミステリの裏に流れる日本という国の掟。
そこに人間は生きている。
その姿は美しく、醜く、仕方なく。
それにしても旨い。
直木賞を取った作品だけのことはある。
山岡百介の後日談。
新しい時代に生きる若者達に、
爺の百介が昔を懐かしみつつ、
今に起こった摩訶不思議な事件を次々と解きほぐしていく。
その徹底したロジカルなストーリーの裏に、
妖しき世界が溶け込む。
こんなにバランスを取りつつも、
時として破綻していく作品がありましたか!?
最後の「風の神」は、
本当に震えてしまいました。
本を読むことが好きな人は、
小説が好きな人は、
必読、間違いない。
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: 京極夏彦
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2007/04
- メディア: 文庫
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