趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

正統派の面白さを噛みしめる

「川は静かに流れ」(146/122) 
 
 
北米ミステリの正統派。
本当に王道を行く物語。
その重厚な作りに、
読者は引き込まれていく。
 
冒頭に作者、ジョン・ハートが書いているように、
これは家族の物語です。
本当に北米人は家族を大切にします。
その異常なまでの家族に対する絶対的な信頼をベースに、
北米ミステリは展開していきます。
どうして、そこまで家族に固執するのか?
個が基本な文化、システムの中で、
家族は本来は異質なものであるからでしょうか?
無い物ねだり、そして憧憬の裏返しに噴出する憎悪。
 
主人公が5年ぶりに帰ってきた。
義母に殺人者として告発されたが、
裁判で無実になって町を飛びだして以来のホームタウン。
当時、父親は息子(=主人公)ではなく妻(=主人公の義母)を信じた。
さらに主人公は、目の前で母の銃による自殺を見てしまっている過去を持つ。
 
そんなホームタウンに戻ってきた途端に、
傷害事件の容疑者としてあつかわれ、
さらに親友の死体を発見する。
 
本当に王道を行くミステリ。
結末は、深く、深く、深く。
読み応え十分。
秋の夜長に、是非。
深く思う読書を愉しんでください。
  
   
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから

川は静かに流れ (ハヤカワ・ミステリ文庫)

川は静かに流れ (ハヤカワ・ミステリ文庫)

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