本当は恐い存在でいたくないんだよね、
「ファントム・ピークス」(36/144)
北林一光のデビュー作にして遺作。
残念です。
これだけなんて。
山の中の失踪事件。
雪が解けての半年後、
白骨化した頭蓋骨が発見される。
そして、
また、連続失踪事件が・・・
状況がおかしい。
どうも、妙だ。
妻を失った男と恋人が失踪した男が、
独自に、孤独に、真実を探し求めるのだが、
どうも、おかしい。
何だ、この山は?
それはそうである。
以下、ネタバレ。
犯人は熊なのだから。
この熊の描写が素晴らしい。
熊って、本当に恐いんだ。
特にヒグマの様は圧倒的である。
パワーとスピード。
猛獣としての存在感が、文章からビシビシと伝わってきます。
でもね、
熊だって、別に、恐くなりたくないんだよね。
普通に生きていたいんだよね。
仕方なく、恐くなってるんだよね。
優しく過ごせれば、
何の問題もないんだよね。
考えさせられるテーマを内包した、
ちょっと悲しいエンタテインメント小説です。
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: 北林 一光
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2010/12/25
- メディア: 文庫
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