趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

本当は恐い存在でいたくないんだよね、

「ファントム・ピークス」(36/144)
  
 
北林一光のデビュー作にして遺作。
残念です。
これだけなんて。
 
山の中の失踪事件。
雪が解けての半年後、
白骨化した頭蓋骨が発見される。
そして、
また、連続失踪事件が・・・
 
状況がおかしい。
どうも、妙だ。
 
妻を失った男と恋人が失踪した男が、
独自に、孤独に、真実を探し求めるのだが、
どうも、おかしい。
何だ、この山は?
 
それはそうである。
 
以下、ネタバレ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 

 
犯人は熊なのだから。
 
この熊の描写が素晴らしい。
熊って、本当に恐いんだ。
特にヒグマの様は圧倒的である。
パワーとスピード。
猛獣としての存在感が、文章からビシビシと伝わってきます。
 
 
でもね、
熊だって、別に、恐くなりたくないんだよね。
普通に生きていたいんだよね。
仕方なく、恐くなってるんだよね。 
優しく過ごせれば、
何の問題もないんだよね。
 
 
考えさせられるテーマを内包した、
ちょっと悲しいエンタテインメント小説です。
 
  
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから

ファントム・ピークス (角川文庫)

ファントム・ピークス (角川文庫)

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