二元的な世界が崩れて
「黒いユニコーン」(39/144)
ガンダム、7つ目。
ますます冴える福井晴敏。
もう、ガンダムとか、SFとか、そういうレベルじゃない小説になっている。
ガンダムという共通言語を最大限に活用した、
本当に悲しく厳しく鋭い戦争小説です。
ここに来て、
敵と味方という構図が崩壊です。
それは「裏切り」とも違います。
地球とか宇宙とか。
政治とか経済とか。
男とか女とか。
そういう二元的な構造が巨大な飛行要塞と一緒に崩れていくんです。
ミネバ女王という、ジオンの血をひく数奇な運命を背負った一人の人間を軸に、
皆がそれぞれの立場を確認していきます。
その立場は様々です。
決して、二極に分かれるものではありません。
通常、戦争は悲しいもので、
敵か味方か、どちらかに自らを位置しないと成立しません。
でも、福井は、ガンダムという舞台で、
新しい戦争を描こうとしています。
ラスト、敵と味方がジョイントします。
その次に待つものは、理想の世界か?
それとも、切ない現実なのか・・・
あと二つでしたっけ。
この戦争の結末、もう全く予想できません。
でも、間違いないのは、
戦争は、しない方が、良いに決まってるぜ!
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: 福井 晴敏
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2010/11/25
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