そこに、あるから
「遥かなる未踏峰・上」(51/144)
「遥かなる未踏峰・下」(52/144)
賛否両論ありますが、
僕は、ジェフリー・アーチャー、好きです。
味気ない文体。
ひたすら真っ直ぐ進むストーリー。
容易に先読み出来る展開。
でも、そういうジャンルを作った彼は凄い。
なんやかんや言って売れている彼は凄い。
読書好きには、アーチャーを避ける人は多いと思いますが、
その気持ち、よ〜く分かります。
でも、たまに読むと、
読書の根源的な楽しみというか、発見というか、
なんというか、「あの頃」を思い出せますよ。
で、本作。
チョモランマ、エヴェレスト登頂にチャレンジした紳士の物語。
幻の初登頂者ジョージ・マロリーの一生を描いた作品です。
あの名言、「そこに山があるからだ」を行った男の一生がそこにあります。
アーチャー、彼を書くには最適の作家だと思います。
彼の人生を拡がりとか深さを敢えて書かない。
そこを削ぎ落として、必要最低限のドラマだけを書いている。
特に「最期」のシーンは秀逸です。
実にあっけない。
が、しかし、それが、マロリーの偉大さを浮き立たせている。
もの凄い人って、実は普通なんだよな。
周りが勝手に虚像を作り上げているだけなんだよな。
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
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