趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

異色

「犯意」(74/144)
  
 
乃南アサだから、
これが作品として成立するんだよな。
並みの作家じゃ、
週刊誌のゴシップ記事にしかならないあ。
 
何が異色かというと、
12の短編に、
裁判員制度で、
裁判員として呼ばれたときにもしかしたら「参考」になるような、
それぞれ法律的な解説が付いている。
 
短編自体は実にシンプル。
犯罪の種が、
芽を出し、
花を咲かせ、
実をつけるまでの過程を書いている。 
別に謎解きとかは無い。
大がかりな仕掛けも無い。
市井の犯罪?とでもいうのでしょうか。
 
人が罪を犯す過程をクールに描写する乃南。
その罪に対する「解釈」を的確に易しく説明する園田寿
この異色なコラボレイション。
今までに見たことも、読んだこともない知的興奮が、
そこにあります。
 
それにしても乃南アサ、巧いぜ。
 
 
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから

犯意 (新潮文庫)

犯意 (新潮文庫)

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