名探偵小説にドキドキする休日
「双面獣事件・上」(84/144)
「双面獣事件・下」(85/144)
二階堂黎人の怪奇サスペンスミステリ。
実に怪奇で残虐なモンスターが登場!
その名は「双面獣」。
名探偵、二階堂蘭子シリーズ、とも知らずに読み始めました。
蘭子最大の敵、ラビリンス。
前二作「悪魔のラビリンス」「魔術王事件」に続く本作品。
いきなりモンスターが出てきてビックリ。
怪奇小説のノリは、まさに江戸川乱歩。
無条件に興奮してくる。
とはいうものの双面獣の殺戮シーンは物凄い。
本当に凄惨。
子供には読ませられない。
大人でも気分悪くなる人が多数いるだろう。
そこまでフルスケールの残酷さを書き付ける二階堂。
そのクールでシリアスな悪魔の所業に、
彼の探偵小説に対する妥協なき愛を感じる。
そして、探偵小説好きの読者に、
手加減なく真剣に勝負を仕掛けてくる姿勢に感動する。
名探偵・蘭子はラビリンスを追う。
双面獣は人々を殺す。
そして、事件の背後にある第二次世界大戦の裏の歴史が見えてくる。
人体実験、生物兵器、マッドサイエンティスト、死の実験。
最終兵器、双子の神秘、人造人間、脳改造。
毒ガス、特攻、死の科学、悪魔の医学。
核兵器。
そう、迷宮計画。
一級のホラーエンタテイメントともいえる本作品。
次回作「覇王の死」で完結するらしい。
世界をひっくり返すような大事件、
悪魔のような犯罪者たちに挑む名探偵・二階堂蘭子の活躍に、
胸躍らせた今日、少し、子供の頃のドキドキを取り戻したかな。
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: 二階堂黎人
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