以下、全てネタバレです
「殺戮にいたる病」(107/144)
とりあえず、我孫子武丸です。
ミステリ好きな人なら、
ちょっと、残酷だけど・・・間違いなく「必読書」かと。
以下、ネタバレです。
で、実にシンプルな叙述トリック。
たった1ポイントに絞り切ったところが巧み。
読みながら、
時間系叙述、ありかな〜、とか疑いつつ、
なかなか、時間トリックが炸裂しないのに不安になりつつ、
最後の最後で。
あ〜、母と息子の二世代叙述か・・・
そのトリックの構造自体が、
物語の主題に深くかかわっている。
ただのトリックだけではない。
そこが名作の由縁であろう。
母と息子の関係。
その濃密で怪しげな関係性をトリックに引き込む技。
母が息子のことを、愛し、疑い、守る。
その裏側にある夫への嫌悪。
更にはマザコンという運命的な呪縛。
全てが読者に沁み込み、
そして、最後に明かされる「息子=夫」というトリック。
実に巧い。
本当に読んでほしい、叙述トリックの名作!
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: 我孫子武丸
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1996/11/14
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