またしても、米澤クオリティ
「儚い羊たちの祝宴」(119/144)
え、ゴシックホラーですか!?
あらら、高校生じゃないんですか!?
米澤なのに。
でも、この5つの短編は素敵です。
昭和?大正?明治?
そんな昔が薫る作品たち。
良家の子女を巡る物語は、
基本的に残酷ですが、
それ故に、読者を惑わすのです。
僕のお気に入りは、
最初の短編、「身内に不幸がありまして」。
実は、殺人を犯してまでも守りたい些細な事実がある。
そんな、不条理な存在こそが、
人という生き物なんだと。
何人、殺しても、許される。
そんな自己完結。
まさに、ホモサピエンス。
そんな重い事象を、
さらりと、書いてしまう米澤。
やっぱり、卓越した才能って、素晴らしい。
そんな才能に出会える読書は、
間違いなく、素晴らしい。
暑い夏、
読書で乗り越えることが出来るはずだよ。
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: 米澤穂信
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2011/06/26
- メディア: 文庫
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