趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

少年少女の罪

「空白の叫び・下」(126/144) 
 
 
凄い作品でした。
素晴らしい作品でした。  
14歳で人を殺した3人の物語。
文庫1,300ページの長編。
 
社会から追い詰められて、
精神的な逃げ場を求めて、
少年たちは何をする。
仲間同士の負の駆け引きを織り込みつつ
銀行強盗を計画する最終巻。
 
実行のために、昔の「仲間たち」とも出会う。
犯罪を犯した少年たちの生き様。
それぞれの思惑の下、
クライマックスへ・・・
 
現在の少年法の精神で解釈すると、
少年少女が罪を犯した場合、
国家、すなわち権力、公的な社会は、
その罪の償いを求めるのではなく、
その人が更生して「真人間」になることしか要求しない。
つまり、
現実はどうであれ、
彼ら彼女らは、公式に罪を償う必要がない。
 
では「非公式」には?
もしくは「個人的」には?
そして「被害者的」には?
犯罪を犯した少年少女は罪をどうやって償うのか。
 
 
読み応え十分。
これぞ読書の醍醐味。
貫井作品、素晴らしい仕上がりです。
長いですが、
絶対に損はしないと思います。
是非。
 
 
   
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから

空白の叫び〈下〉 (文春文庫)

空白の叫び〈下〉 (文春文庫)

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