趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

読みながら、物語、膨らむ

「風をつかまえて」(133/144) 
  
 
風車の物語。
町工場の物語。
財政破綻間近の地方の町の物語。
友情の物語。
恋の物語。
父と息子の物語。
家族の物語。
教師と生徒の物語。
学びの物語。
そして、
階級対立の物語。
 
文庫300頁にこれだけの物語が詰め込まれています。
2010年の高校生課題図書とのこと。
読書ビギナーには、
この位にてんこ盛りの方が感情移入ポイントを見つけやすいかもしれません。
様々な切り口の中から、自分にあった何かを掴んでほしい。
 
とある町の「町おこし」から派生した風車プロジェクト。
邪な思いに翻弄された町工場の懸命の努力にもかかわらず、
悲劇的な結末を迎えます。
しかし、主人公・優輝は、
親、兄弟、友人、行政、そして社会と様々な摩擦を引き起こしながら、
前に進むのです。
そして、もう一度、本当の風車を、立ち上げます。
 
で、読書玄人(?)としては、
この作品を土台とした物語を妄想する楽しみがあります。
流石、高嶋哲夫、軸はしっかりしてます。
そこに勝手に枝葉をつける楽しみ。
 
個人的には「階級対立」にフォーカスをあてると、
また違った物語になるのではないかと。
総中流といわれる日本に横たわる階級。
階級が存在しているのに、
それを認めない、見ようとしない、無視する市民、政府、社会。
今の日本の閉塞感の現況はここにあるのでは?
 
とか思いを巡らせながら、
自分流の読書をする楽しみ、最高っす。
 
 
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから

風をつかまえて (文春文庫)

風をつかまえて (文春文庫)

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