歌舞伎町を返してくれ!
「9・11倶楽部」(147/144)
あの都知事、
けっこう好きなんだけど、
夜の仕事を締めつけたところだけは許せない。
夜には夜のルールがある。
そこに昼のルールを適用したところで意味はない。
より巧妙に騙す夜サイドと、
安全になったと思って騙される昼サイドの負の相乗効果。
より夜は深く潜り、被害者が増えるだけ・・・
不法入国で入ってきた両親から生まれた子供たち。
親は強制送還。
子は戸籍のない幽霊市民。
子供たちの過酷な運命に巻き込まれた救急救命士・織田。
彼の地下鉄サリンテロで妻子を失って、
人生が壊れていく中でのこの出会いが、
彼を「真っ当」な生き方に導いてくれる。
織田の正しい道は、
この社会では完全に不法であり、悪であるかもしれない。
でも、この日本で、
新宿西口に聳える都庁を「爆破」することは、
果たして間違った選択なのだろうか?
馳星周にしては、とても優しい作品です。
でも、いつもの激しさではない
優しさの中に含まれる
行き場のない熱は、
この東京、日本の地底に眠っています。
いつの日か、
全てを溶かすチャンスを虎視眈々と狙っているのです。
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: 馳星周
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2011/06/10
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