そして、悲しみには限界がない
「リベルタスの寓話」(158/144)
ユーゴスラビアの悲劇。
人間は、そこまで、出来る、愚かな、生き物なんだ。
万物の生物の中で、
最低の生命体であることは間違いない。
それをベースにしたミステリ。
超本格。
中編1・前半→中編2→中編1・後半、という変わった構成。
二作とも、本格ならではの「超ありえない」設定からの謎解き。
共に、世界のキヨシが活躍する。
本格なので、謎解き自体に社会性はありませんが、
その背景には、民族紛争という、
本当に、バカバカしいほど残酷な哀しみの歴史が横たわる。
島田荘司という作家の、
距離感というか、
本格ミステリの存在意義を120%利用できるセンスは凄い。
戦争ならば何してもその場は許されるという、
殺しても、レイプしても、略奪しても、裏切っても、
戦争という文脈の中ならばスムーズに処理されるという事実を、
本格として表現する。
天才。
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: 島田荘司
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/08/12
- メディア: 文庫
- クリック: 4回
- この商品を含むブログ (6件) を見る
(20091021-20101020.150/122)
(20081021-20091020.139/122)
(20071021-20081020.134/122)
(20061021-20071020.133/122)
(20051021-20061020.128/108)