趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

そして、悲しみには限界がない

「リベルタスの寓話」(158/144)  
 
 
ユーゴスラビアの悲劇。
人間は、そこまで、出来る、愚かな、生き物なんだ。
万物の生物の中で、
最低の生命体であることは間違いない。
 
それをベースにしたミステリ。
超本格。
中編1・前半→中編2→中編1・後半、という変わった構成。
二作とも、本格ならではの「超ありえない」設定からの謎解き。
共に、世界のキヨシが活躍する。
 
本格なので、謎解き自体に社会性はありませんが、
その背景には、民族紛争という、
本当に、バカバカしいほど残酷な哀しみの歴史が横たわる。
島田荘司という作家の、
距離感というか、
本格ミステリの存在意義を120%利用できるセンスは凄い。
戦争ならば何してもその場は許されるという、
殺しても、レイプしても、略奪しても、裏切っても、
戦争という文脈の中ならばスムーズに処理されるという事実を、
本格として表現する。
 
 
天才。
 
  
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから

リベルタスの寓話 (講談社文庫)

リベルタスの寓話 (講談社文庫)

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