球威のあるミステリ
「誘拐児」(21/144)
翔田寛、初読。
ひさしぶりの初読作家です。
ことの始まりは昭和21年。
物語の舞台は昭和36年。
誘拐の当事者?
殺人事件の捜査。
誘拐事件の謎。
3つのラインが一つに重なった時、
ミステリの謎が解けます。
まあ、オーソドックスな構造です。
更に「誘拐」もの。
これまた王道。
ただ、タイトルが示すように、誘拐された「児童」が主軸となります。
殺人事件と15年前の誘拐事件の関係は?
それを真正面から書いています。
直球勝負のミステリ。
球速よりも球威で勝負している感じでしょうか。
この時代設定が僕にとっては絶妙です。
僕は生れていません。
なので未知の世界ですが、そんな昔ではありません。
あくまでも昭和。
平成ではなく、昭和なのです。
解説でも言及されていますが、
この時代の雰囲気を紙面に浮かび上がらせ、
その中で事件や人間や社会を動かす筆力が、
球威の真髄なのでしょう。
さすが江戸川乱歩賞。
間違いのないミステリです。
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: 翔田寛
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/08/12
- メディア: 文庫
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