この桜庭、どう読む?
「GOSICK」(34/144)
桜庭一樹のミステリ。
ヨーロッパの小国の名門学校に通う男の子と女の子が活躍するミステリ・シリーズ。
その第一弾は「幽霊船」が舞台です。
非常にオーソドックスなミステリ。
頭脳明晰、容姿端麗なちっちゃな美少女探偵、ヴィクトリカ。
ひょんなきっかけからヴィクトリカの「唯一」の友人(付き人?)となる、
極東からやってきた熱き少年、九城一弥。
そんな二人が大量殺人の舞台に巻き込まれつつ、
生き残りつつ、
事件を解決していく展開です。
シリーズものの第一弾なので、
物語全体に関する謎が散りばめられつつ、
ま、挨拶がわりの一冊って感じです。
※たまたま私は「外伝」から読んでしまったのですが…
さて、
これは「ラノベ」か否か?
以下、アマゾンの書評で興味深いものがありましたので引用します。
==前略==
あの桜庭一樹が少年少女向け小説を書いていたなんて知らなかった、と驚く方々。
漫画みたいな絵なんかついている子供っぽい「ライトノベル」とかではなく、
ちゃんとした「小説」が読みたいという方々。
基本的にあなた方に向いた小説ではありません。
断言しますが、これはライトノベルです。
可愛らしい表紙に惹かれて、ライトなミステリーものに手を出してみようかと思うような、
中高生向けのシリーズです。
実際ミステリーとしては大したものではなく、キャラクター小説としての比重が非常に大きい作品と言えます。
間違っても「直木賞作家が昔書いたものだから」と期待すると肩透かしを食らいます。
そんなシリーズから大きな財産である挿絵をカットしたのは、個人的には馬鹿げているとしか思えません。
キャラ造形は秀逸ながら本編は物足りない、しかし挿絵とあとがきで値段分以上に満足した…というのが、
富士見ミステリー文庫版の私の感想でした。
その重要な半身を失ったこの角川文庫版に、高い評価を与えることはできません。
==後略==
以上「ykm」さんの書評でした。
非常に納得しました。
なるほど、
キャラクター小説であることと、
それを「補てん」する挿絵の存在がラノベの重要な要素であるのだ、と。
で、僕の感想。
挿絵がなくても、キャラクターの容姿や行動や雰囲気が、
頭に勝手に動き出すレベルの「筆力」だと思うので、
それはそれで良いのでは?
桜庭の最近の作品もキャラクター小説的要素が濃いと判断するならば、
これはこれで楽しめると思いますが。
僕はもう少しシリーズを追うつもりです。
読書は、著者のものではなく、読者のものである。
そんなことを、改めて実感しました。
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: 桜庭一樹
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2009/09/25
- メディア: 文庫
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