ちょっとだけ先にある世界に迷い込んでみませんか
「きのうの世界・上」(35/144)
「きのうの世界・下」(36/144)
不思議な世界があるんです。
リアルと架空の間にあるんです。
ロジックのちょっとだけ先にあるんです
そこを何と呼ぶのでしょうか。
そんな作品、恩田陸に書かせたら最強ですよね。
ここでは「きのうの世界」と読んでるんです。
ある日、突然、ごくごく普通のサラリーマンが失踪します。
そして、殺されて発見されます。
その発見された場所には、
何かがあるんです。
普通ではない何かが。
その何かを探し出す物語です。
なぜ、その場所には塔があるのか?
なぜ、その男はその塔がある町で殺されたのか?
なぜ、その男の失踪の謎を解き明かそうとする女がいるのか。
物語は様々な角度から語られます。
そこには完璧ではない整合性。
完璧よりも少し先にある完璧を越えた整合性があります。
その、何とも、もどかしい世界の中で、
読者は自由に想像を巡らせることが出来るのです。
まさに恩田ワールド。
謎解き要素も当然あります。
でもパーフェクトな解明はしないのです。
その曖昧さを楽しめるかどうか。
さあ、この世界に!
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: 恩田陸
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