スパイは、やっぱり嘘をつく
「ツーリスト 沈みゆく帝国のスパイ・下」(38/144)
実は読んでました、スタインハウアー。
で、後半。
ここから先は何を書いてもネタバレですね。
誰が見方で、誰が敵で、
何が嘘で、何が嘘じゃななくて。
一章進むごとにどんどん入れ替わる。
そして、
その嘘は作品の中の嘘なのか?
それとも著者が読者に仕掛けた嘘なのか?
こういう展開が可能なのは「スパイ小説」だから。
そう、これがスパイ小説なんだ!と思いました。
東西冷戦が終わっても、
911のカオスが継続していても、
スパイは嘘をつくものだ、という前提で読んでいるから楽しめるカタルシス。
満喫です。
主人公ミロの嘘の中に隠れた「真実」。
読後も、どうも信じることが出来ないもやもや感。
ホントは嘘なんじゃないの〜
この読後感、スパイ小説の醍醐味。
堪能です。
で、解説、霜月蒼も興味深い。
特に「スリラーを殺したのはジャック・ライアン」という所は、
海外エスピオナージ好きには、
ちょっと考えさせられます。
最近楽しめるスパイ小説、読んでないな〜と思ったら、
是非、読んでみてください。
オススメですよ。
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
ツーリスト 沈みゆく帝国のスパイ (下) (ハヤカワ文庫NV)
- 作者: オレン・スタインハウアー,村上博基
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/08/30
- メディア: 文庫
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