趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

たった一人で守る人

「暴雪圏」(41/144)  
 
 
佐々木譲の北海道「田舎の」交番シリーズ。
第二弾。
あの「制服捜査」の続きです。
 
前回の敵が「地域社会」だったならば、
今回の敵は「雪」です。
それも人が死ぬような暴れ狂う雪。
その名も「彼岸荒」。
  
帯広、釧路を核とする北海道東部に強烈が吹雪が。
町は雪に殺される。
道はふさがり、歩くのも困難な状態に徐々に陥っていく。
 
そんな吹雪の中、
様々な「人の営み」が交錯する。
 
不倫がバレそうになり、相手に殺意を抱く主婦。
暴力団の組長宅に強盗に入り、思わず人を殺してしまった二人組。
事務所の金庫から2000万円盗み出した中年男。
義父に犯され、必死の脱出を試みる女子高生。
普通に観光旅行に来て、雪に閉じ込められた老夫婦。
 
そんな中、地域唯一の警察官、
北海道警察釧路方面広尾署・志茂別駐在所を一人で守る男・川久保のもとに、
死体らしき物体を発見したとの連絡が入る。
 
雪で身動きが取れない中、
川久保は決断していく。 
人として、そして法を司るたった一人の人間として。
前作で描かれた経験の上に、
二年目のベテラン刑事の行動はいかに。
 
同時多発の事件を収斂させていくテクニックは最高です。
やっぱ、うまいや。
それぞれの事件の結末は明示していないものの、
その過程はジワジワとしみていきます。
 
次に川久保は何をするのか?
今から楽しみです。
スピンアウト企画もたくさん出来そうだし、
まだまだ楽しめる作品ですね。
 
  
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから

暴雪圏 (新潮文庫)

暴雪圏 (新潮文庫)

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