趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

未完の戦火

「覇者と覇者」(43/144)  
 
 
(未完)
 
この最後の文字。
それが、まさに、応化クロニクル。
 
裸者ラシャ
愚者グシャ
覇者ハシャ
 
20年に渡る戦争の物語。
少年が戦い、
ガイジンが戦い、
大人も戦い、
性的マイノリティが闘う。
マフィアは常時金戦態勢となる。
 
人を殺す。人が死ぬ。そして人が生きる。
この日本が
アフガニスタンイラクのような泥沼の内戦状態になる。
その様が、
敢えて言おう、
超一流の戦争エンタテインメントとして展開される。
銃弾が降り注ぎ、無差別テロが完遂され、
脳味噌が飛び散り、ビルディングに生き埋めになった人々の命が終わる。
そんなエンタテインメント。
2,000ページ、圧倒的に、迫りくる。
その文字の海は壮絶、絶対、緻密、無情。
 
そんな壮大な物語は、
打海文三の、突然の、本当の、逝去により、
未完で打ち切られる。
 
が、しかし、
文庫版解説の大森望が書くように、
 
〜物語が完結してページが閉じられても、
 彼らの人生がそこで終わるわけではない。
 (中略)
 運命のいたずらによって、
 本を閉じるタイミングがすこし早まってしまっただけのこと。〜
 
だから読書はやめられない。
この物語は、
永遠に終わらない。
主人公・佐々木海人はそこにいる、ここにいる。
 
    
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから

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