長文小説の愉しみ
「ゲートハウス・下」(46/144)
上下文庫1,400頁。
読み切った。
ニヤニヤしながら読んだ。
楽しんだ。
充実の読書、ありがとう、デミル。
なぜ、分厚い小説に惹かれるのか?
本作品も、
特に超長い時間が経過する物語ではないし、
登場人物も限られている。
また、ジェットコースター式に事件が多発するわけでもない。
簡単に言ってしまえば、
ある夫婦の復縁の話を軸に、
財産の問題と、葬式と、ちょっとした「人殺し」が絡むだけだ。
正直、1,400ページに主人公、ジョン・サッターの愚痴が並べられているだけ。
愚痴、っていうより皮肉?暴言?戯言?
が、その言葉を読み進めるうちに、
その言葉を発する男に、その男の決断に、その男の流儀に引き摺りこまれていく。
ある意味「同化」なのだろうか?
ページをめくるたびに、ジョンがより明確に見えてくる。
ジョンの思考とシンクロしていく。
その醍醐味。
ただ長いだけじゃない。
長さそのものが作品の骨となる。
流石、デミル。
そして、この結末・・・
面白すぎるぜ!
まさに知的エンターテインメント。
がっつり長文読みたいならば、お薦め。
前作「ゴールド・コースト」、絶版のようだが、
ちょっと探してみますか。
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: ネルソン・デミル,白石朗
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/10/14
- メディア: 文庫
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (3件) を見る
(20101021-20111020.159/144)
(20091021-20101020.150/122)
(20081021-20091020.139/122)
(20071021-20081020.134/122)
(20061021-20071020.133/122)
(20051021-20061020.128/108)