趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

初、角田光代は、怖かった

「森に眠る魚」(55/144)  
  
 
日常のなかに地獄はあるんだ
怖いね、生きるって
 
世界には、日本でも、餓死という現実があります
食べる者が無くて死んでいく人たちがいます
それは間違いなく地獄でしょう
 
この作品に登場する
ママ友5人は
餓死の現実から全く離れた日常にいます
どちらかといえば裕福でしょう
東京の「文教地区」で出会った5人
そして幸せに見えるでしょう
でも、彼女達は地獄に入り込みます
貧困で苦しんでいる人たちと比較したら
それを地獄と呼ぶのは失礼かもしれません
でも、彼女たちにとっては
完璧な地獄です
 
母親たちの孤独と痛み
子育て、ライフスタイル、教育、お受験
ママたちは闘っているようです
未婚で子供のいない僕にとって
この世界は想像でしかありません 
角田光代の書く世界を読んで
ちょっと怖くなりました
途中で読むのを止めたくなるくらい怖かった
 
人を信じる、頼るということは
信じない、裏切られるということを生みだします
その正負の存在を自覚していないと痛い目にあいます
信じるリスクを想定する
5人のママたちに欠如しているもの
自ら選んだ結果の負なのに気が付いていない
だから日常が地獄と化す
解決方法は見つからないし
責めるべき対象すらみつからない
この地獄、抜け出し方が分からない
本当に怖い
 
  
で、いまさら、角田光代、初読とは自分でもビックリ
まだまだ読んでいない作家、たくさんですね
 
 
  
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから

森に眠る魚 (双葉文庫)

森に眠る魚 (双葉文庫)

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