ほんの些細な悪意の積み重ね
「乱反射」(59/144)
救われない・・・
本当に
救われない・・・
読めば読むほど、救われない・・・
貫井にしか書けないだろう、この救われない雰囲気
みんなの悪意が、罪の欠片が
人を殺すことになる
風が吹けば桶屋が儲かるの悪意バージョン
犬の糞を放置したから子供が死んだ
夜間診療をズルして利用したから子供が死んだ
車の運転が下手だから子供が死んだ
市民運動を起こしたから子供が死んだ
そういう事実の積み重ね
子供の死の責任回避する人たちの群れ
当然と言えば当然
だって、法的な責任はないのだから
道義的な責任だってないのかもしれない
その時、人は、どうするのか
僕も今日
何回か信号無視をしました
もしかしたら
その行動が、人の死に影響しているかもしれません
自分の犯した小さな「悪」が
大きな社会の中で
乱反射して、共鳴して、渦となって、
一つの巨大な悪と化して、人を殺しているのかもしれません
死んだ子供の父親の
最後の壮絶な慟哭は
この日本が
みんなグルになって蓋をしている叫びのような気がします
その蓋、いつ外れるのか、わかりません
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: 貫井徳郎
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