趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

無数の書物に、感謝する夜

「ファミリーポートレイト」(87/144)  
 
 
桜庭、面白いね。
ホントに面白いんだから。 
 
解説の角田光代が核心突いてます。
 
桜庭一樹という作家は、
 現実味のないことを、
 たじろぐぐらいの現実味をもって書く。〜
 
そうなんです。
ラノベ系の桜庭も、
ミステリの桜庭も、
直木賞の桜庭も、これなのですよ!
 
本作品、前半と後半で大きく展開していきます。
前半は母(=マコ)と娘(=コマコ)の奇妙な逃避行。
元女優の母が
二十歳の時に産んだ話すことが出来ない娘と逃げる。
 
逃亡先が全て奇妙。
空想なのか、リアルなのか、とにかく曖昧。
もしかして「夢落ち?」という気にさえなってくる。
母娘関係も振れ幅が大きく、読者は揺さぶられる。
愛と虐待、だけじゃない何か。
それは何?
とにかく、桜庭の作り出す世界に翻弄されたまま、
母が死んで(?)前半終了。
 
で、後半は、
コマコが「作家」に覚醒して、
そして成功する物語に。
前段を支える奇天烈の高校生活に読者は振り回されつつ、
文字を書くコマコの姿に引き込まれていく。
語りから入り、
処女作を脱稿し、
逃げて、
また書いて、
受賞して、そして・・・
作家としてのスリリングな展開の中に描かれる、
作家と作家を取り巻く人たちの「業」に感動すること必至。
 
そして、最後は、まさかの・・・
 
本が好きな人ならば、
絶対にシンクロする作品です。
絶対、読んでね! 
文庫700頁、すぐに終わってしまうから。
 
 
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから

ファミリーポートレイト (講談社文庫)

ファミリーポートレイト (講談社文庫)

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