不思議な桐野
「IN」(119/144)
不思議な作品だ
こんな嫌な恋愛を
したくなる気持ちが
とっても理解できる気がする
完全に桐野に騙されているのか??
そうじゃないだろう
作家の話だ
女性作家、鈴木タマキは
自分の「W不倫」に対する気持ちの整理をするために
作品を書こうとする
その作品の軸となるのが
一昔前に書かれた
男性作家、緑川未来男が書いた
自分と妻と愛人の赤裸々な愛憎劇を描いた作品である
その愛憎劇の「張本人」○子の正体を暴くために
タマキは
過去の愛人との思い出を糧に
恋愛における抹殺というテーマに掲げ
残酷なゴールへと突き進むのだ…
ひどく下世話な表現を許してもらえるならば
そんな物語
だけど
読んでいると全くもってして下世話じゃない
解説の伊集院静のように
この感覚を言葉に出来ないのは当然なのだが…
「そんなに恋愛って大切なのか?」
という質問に対して
この作品を読んだ後ならば
こう答えるだろう
「残念なことに、大切なんだな」
こんか解答を導きだす
作家という生き物は
本当に、嫌で、素晴らしい
それにしても
絶対に
作家とは恋をしない方が幸せ、だな
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: 桐野夏生
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