母、というストレートなタイトルに負けない作品に出会い、心、うたれ
「母」(138/144)
自分では絶対に手を出さない本を
人に勧められて買い
何の知識もないままに読み始め
感動し
涙することが出来る今年の夏に感謝
小林多喜二の母がひたすら語る
戦前に、拷問され、殺された、作家、小林多喜二の生涯を
語る母の口調は「軽やか」である
本当の悲しみを乗り越えた人が到達できるのだろうか
それとも
本当に心がキレイな人にのみ許された宿命なのか
解説にも書かれたいたが
小林の家は貧乏だが明るいのだ
小林の周りに集まる人たちは不幸なんだけど明るいのだ
なぜ?
それは「母」の力なのか
全てを包み込むそのパワーに
人々は
全てを許してしまうのだろうか
多喜二の惨たらしい死体と母が対面するシーン
多分、人としての体を為していないほど悲惨だったに違いない
でも、母は耐える
というか憎しみ、怒りを燃やして
恐怖を払拭する
そう、そんな余裕はない
母は息子の運命を真っ当から受けとめるのだ
強い、強すぎる
そして、美しすぎる
母、最強
まちがいない
静かだけど、荒れ狂う作品
本当に読んで良かった
さおりん、ありがとう
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: 三浦綾子
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