趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

弱者の弱い所を抉りだす、優しくね

「ツナグ」(152/144)  
 
 
だから好きだ、大好きだ
辻村深月
独り、サイゼリヤで、泣いてしまいました
良かった、窓際の席で
でも、微妙だよね、外を見つめて、泣いているオジサン、一人・・・
 
 
さて、普通、小説では
強者の弱点を描いて共感を誘ったり
弱者の芯の強さを引き出して心を鼓舞したりする
これ常套手段
 
でも、辻村深月は違う
弱い人は、やっぱりどこまでも弱いという現実を書いていると思う
でも、弱いことが悪いこととは決めていない
だから、読んでいて、心が痛まない
もちろん、心を締めつけられるんですよ
キューっとくるんですよ
でも、それは苦痛ではない
もちろん快楽でもありません
この苦い感じ
この心の揺れを体験したくて
辻村を読み続けているのかもしれません
 
本作の中の「親友の心得」に出てくる主人公の彼女は
本当に弱い
だから最後まで弱い
この弱さから抜け出す手助けを、辻村はしない
そう、読者に甘い顔をしない
その冷たさの温かさを感じたくて
読むんだろう、辻村を
 
で、泣いたのは「待ち人の心得」
読んだシチュエーションも最高(いや最悪かも)にマッチして…
もう、止まりませんでした
 
辻村深月、サイコー
 
 
 
 
で、映画化ですよね
映画だと感情の盛り上がりのポイントを
無理矢理に一点に集中させていくだろうから
そのポイントが一致したら良いかもしれないけど
キャスト(のパワーバランス)を見た段階で
非常に不安…です
どちらかといえば、蓮ドラ向きでは?
ま、ドラマ、見ないし
 
  
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから

ツナグ (新潮文庫)

ツナグ (新潮文庫)

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