弱者は負ける。だけど……
「ひまわり事件」(18/144)
荻原浩の小説は
ある意味、残酷だ
弱者が強者に立ち向かう
そこそこまでは、「反逆」は成功する
がしかし、最後には
そこそこの、冷たい「現実」が待っている
その冷たい現実に翻弄される人間の
優しさ、誠意、勇気
それと同時に
無関心、無知、日和見主義
その両面が描かれているからこそ
萩原の作品の読後感は
味わい深く
心に小さな引っかき傷を残してくれる
老人ホームと幼稚園のお話
どちらも、どーも運営がおかしい
入居者、園児の事は二の次
オトナの事情優先で物事が進んでいる予感……
園児から見た老人のイメージが秀逸
老人から園児のイメージもイケてる
その世代格差を乗り越えた「レジスタンス」が、始まるのだ
中盤以降の物語の加速度が凄い
さすが萩原
計算しつくされている
一気に突き進むストーリー
あっという間に辿り着いたラストには
最大の「事件」が待っています
キレイな気持ちになれる一冊です
年末、心にゆとり、いかがでしょうか
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: 荻原浩
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2012/07/10
- メディア: 文庫
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