趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

弱者は負ける。だけど……

「ひまわり事件」(18/144)  
 
 
荻原浩の小説は
ある意味、残酷だ
 
弱者が強者に立ち向かう
そこそこまでは、「反逆」は成功する
がしかし、最後には
そこそこの、冷たい「現実」が待っている
 
その冷たい現実に翻弄される人間の
優しさ、誠意、勇気
それと同時に
無関心、無知、日和見主義
その両面が描かれているからこそ
萩原の作品の読後感は
味わい深く
心に小さな引っかき傷を残してくれる
 
 
老人ホームと幼稚園のお話
どちらも、どーも運営がおかしい
入居者、園児の事は二の次
オトナの事情優先で物事が進んでいる予感……
 
園児から見た老人のイメージが秀逸
老人から園児のイメージもイケてる
その世代格差を乗り越えた「レジスタンス」が、始まるのだ
 
中盤以降の物語の加速度が凄い
さすが萩原
計算しつくされている
一気に突き進むストーリー
あっという間に辿り着いたラストには
最大の「事件」が待っています
 
キレイな気持ちになれる一冊です
年末、心にゆとり、いかがでしょうか
  
 
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから

ひまわり事件 (文春文庫)

ひまわり事件 (文春文庫)

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