趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

やりすぎだけど、やりすぎじゃない

「球体の蛇」(40/144) 
 
 
この後味の悪さ
気持ちいい
快感
  
ってヘンタイ、かな〜
道尾ワールドの醍醐味だと思うのですが
いかがでしょうか?
 
小さな田舎の町
主人公は高校生の男子
母は離婚して出ていった
父は仕事で単身赴任(というか息子が東京に戻るのを拒絶)
そして、隣の「赤の他人」のおじさんと
その娘との三人暮らし
その設定からして、後味悪し……
 
さらに
隣の家の母と姉は変死
ここまでカードを揃えるか……
 
これに追い打ちをかけるように登場する謎の女
どこか死んだ姉に似ている
その女のエロスに惑わされる主人公
もう、やりすぎです……
 
でも、なぜか満腹感はない
なぜだろう
陳腐なドロドロにならない
この空気感は、何?
それが道尾クオリティ
 
作品は過去の悲劇と現在の日常がクロスして終末を迎えます
でも、物語は終わりません
彼らが幸福の方向に向かうとは思えません
かといって、必ずしも不幸に落ちていくわけでもないでしょう
きっと、綱渡りのような日常が
可もなく不可もない
少し枯れた日々が
死ぬまで続くのでしょう
ただ、ひたすら、前をじっと見て
ゆっくっりと、ゆっくりと、ゆっくりと
 
この感じ
やっぱクセになる
これが道尾クオリティ 
 
 
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから

はてな年間100冊読書クラブ
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