趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

新聞社の将来に希望は、何もない。そもそも金持ちの道楽で始まっただけに、経済的合理性がない

スケアクロウ・上」(61/144) 
スケアクロウ・下」(62/144)  
 
 
真山仁の解説からの引用です
メディア経営の専門家の方のコメントだそうです
なんと説得力に満ち溢れた文章なんだろうか……
 
 
そんな新聞社から二週間後の「首切り」を言いわたされた主人公、ジャック・マカヴォイ
最後に特ダネでも見つけて
ロサンジェルス・タイムズにひと泡吹かせてやろうかと
記者の「勘」で
新聞社にかかってきた「クレーム電話」に何かを感じて動き始める
その事件の疑問を最初に投げかけたのは
あの、レイチェル・ウォリング
コナリーの作品を読んでいる人にはお馴染みのFBI捜査官
※この二人、「ザ・ポエット」(1996年作品)で共演してます
 
この二人のコンタクトが
連続殺人事件の扉を開けます
今まで気づかれなかった大量殺人事件
その犯人、スケアクロウ
ジャックが如何にしてスケアクロウに迫るのか
物語は不気味に進行していきます
 
なぜ、犯人を追いつめるのが新聞記者なのか
そこには元新聞記者、コナリーの思いがあるようです
※巻末の「作者質疑応答」を読んでください
 
快楽主義的連続殺人に合理性はありません
ただ、犯人には、合理性があります
その隠された合理性を暴くことが
事件の解決に繋がることも多いのではないでしょうか 
 
経済的に合理性がない新聞社
ただ、誰かにとっては合理性が存在するはずです
でも今の状況を見ていると
その産業に従事する人にとっての合理性だけで維持されているような気が……
そんな新聞を
ネットと比較して圧倒的に信用できるとは、言えるのかどうか

だからこそ、今、ジャックのような「ヒーロー」が描かれるのでしょう
僕は、出来る事ならば新聞を信じたいです
というか、信じさせて欲しいです

本作品、重いテーマを何層にも包み込んだ
パーフェクトなエンタテインメント作品です
やっぱり、コナリーは半端ない
間違いなく面白いです
 
 
 
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから

スケアクロウ(上) (講談社文庫)

スケアクロウ(上) (講談社文庫)

スケアクロウ(下) (講談社文庫)

スケアクロウ(下) (講談社文庫)

はてな年間100冊読書クラブ
(20111021-20121120.166/144)
(20101021-20101120.159/144)
(20091021-20101020.150/122)
(20081021-20091020.139/122)
(20071021-20081020.134/122)
(20061021-20071020.133/122)
(20051021-20061020.128/108)