ぞわぞわする
「月と蟹」(139/144)
小学五年生、男二人、女一人の物語
直木賞だ
けっこう深刻な問題をサラリと流す小学生の残虐性と
些細なことで自分世界の崩壊を感じる小学生の無邪気さを
道尾が書くと、こうなるのか……
少年二人の友情
父無し少年の母と
母無し少女の父の「恋愛」にゆさぶられる少年と少女
三角関係に悩む少年
父からの虐待にもがき苦しむ少年
家族を模索する少女
三人のそれぞれの思いが絡み合う日常生活
その暮らしの整合性を取るがために行われる
ヤドカリを燃やすという儀式
当然、自分のあの頃と全てがシンクロするわけではないが
たまに自分の心の奥に放置してある欠片と一致する
世界が重なる
その時に僕を襲うゾワゾワした気持ち
幸せでもない、不幸でもない
喜怒哀楽では表現できないこの気持ち
見事に道尾にほじくり返された
や、ら、れ、た、、、
苛烈なイジメを描くことなく
あの頃を浮き上がらせる道尾は
やっぱ、別格なのかもしれない
間違いないね
良い読書を、ありがとう
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: 道尾秀介
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