趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

チャレンジか?マンネリか?

「白ゆき姫殺人事件」(64/144)  
 
 
同じ手法で
ここまでやるか……
 
登場人物の「語り」と
それを元に構成された
「つぶやき」(所謂『Twitter』です)と「記事」(ここでは『週刊誌』という紙媒体)
のみで成立している作品です
 
つぶやきの中には匿名ながら登場人物も入り込む
記事は「語り」の聞き手が書いたらしい
真実と、自分にとっての真実と、そうであって欲しいと願う真実が混在する
この多層構造を
湊の進化とみるか
湊の苦し紛れと受け取るか
 
一応、犯人当てのミステリ作品の体であるが
その謎解きに関する部分は、ハッキリ言ってオマケであろう
登場人物が各自に行う「犯人当て」の過程と
そこで特定される犯人に対する
「この人は犯人じゃない!」的意見と「やっぱ、こいつが犯人だよな〜」的意見
これら全てのいい加減さを愉しむことが
本作品の軸なのではないだろうか
 
そして、出てくる登場人物の薄さ
殺人事件の背景の軽さ
全編に漂うチープな感じ
それらも含めて
湊が読者に仕掛ける罠なのではないだろうか
 
賛否両論あるだろう
僕は「賛」派だ
 
ただ、あえて言うならば
この作品の意図を伝えるのに「文庫本」という媒体はベストではないだろう
でも十分ベターであることは
間違いない
 
 
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから

 
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