趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

久しぶりの「な、な、なんじゃ、こりゃ」

「盤上の夜」(109/144) 
 
 
基本的に
作品を読む前には
作品のテーマが何で、どういう内容で、どういうテイストで
という情報を極力排除している
解説を前もって読むなんてとんでもない
タイトルと作家
そして偶然入ってきた情報
それは知人のススメとか各賞の受賞履歴とかふと接したメディアからだったりするが
何も知らない
なるべく真っ新な状態で
ページをめくりはじめるのが流儀だ
 
で、驚いた
こんな作品だったなんて
 
六つの短編
とある人物が、ジャーナリストかルポライター系が
書きつづっている体で進みます
テーマは「盤上」
ゲームのお話しです
囲碁、チェッカー、麻雀、古代チェス、将棋
強烈なバトル
ま、バトルの敵は盤の反対側にいる人だったり
ゲームそのものだったりするわけで
 
第33回日本SF大賞受賞とは知らずに……
完全にミステリだと思って読み始めたら
さあ、大変
謎は謎のまま
でも、これ、SFとも少し違う
純文学でもないし
まさに新しい小説なのかもしれない
 
中でも麻雀の短編はすごかった
いわゆる麻雀漫画のようであって
全くの別物であって
これ読んだら、麻雀未経験者は絶対にやってみたくなるに違いない
エンタメしてた
ビックリ
衝撃
こんな文章、初体験
 
盤上の世界だけで
全てを出しつくし人たちの「愚かさ」が
ここまで研ぎ澄まされて書き込まれているとは
衝撃
 
作家は
文字だけで戦うが
完全な勝ち負けは存在しない
 
でも、盤上には
勝ちと負けと引き分けの3つしかない
 
共に愚かな行為と言ってしまえばそれまでだが
その愚かさは人を狂気に引きずり込む力を持つ
 
頭の中で展開する戦いは
破裂する、暴発する、蒸発する
静かに、静かに 
 
 
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから



   
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