趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

美しすぎる物語構成にうっとり

「楽園のカンヴァス」(137/144)
  
 
やっと文庫化
やっと読めた
ものすごく期待して読み始めたけど
期待以上だった
前評判が高かっただけに心配だったけど
良かった
 
前知識を入れないで読むのが常套なのだけど
本作はたまたま「王様のブランチ」で
気が付かぬまま見てしまったので
絵画をめぐるミステリーということは知っていた
 
でも、大丈夫だった
通常の絵画ミステリとは一線を画していた
大きな秘密は隠されているのだけれど
一応、隠されているだけで
その秘密が解明されることが一義ではない
 
絵を描く人
絵を見る人
その両者を介在する絵
その関係性を書くことが本作の目的だと思う
もちろん、絵は商材でもある
その観点もしっかりと書き込みつつ
絵に対する愛に溢れている
 
それを実現した見事な構成に感動
二人の専門家が絵の真贋を見極める
でも、それは過去の話
 
判断の材料は
テクノロジーではなく
ある一つの物語
 
その絵に隠された謎は二つ
真贋と
その真贋の先にある驚愕の事実、いや噂
 
男と女の関係も
効果的に絡み合う
恋なのか、愛なのか、血縁なのか
実に効果的だ
 
これほどまでに
調和のとれた作品には滅多にお目にかかれない
素晴らしい
 
それにテーマ性、情報が実にタイトに決まっているので
面白い、本当に面白い小説だ
   
それしにても、絵を見たくなった
誰に絵でもいい
絵を見たい
 
明日は、上野か?
  
 
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから

 
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