趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

自分的に完璧な作品に出合ってしまった

ふがいない僕は空を見た」(148/144)
 
 
他の人にはあてはまらないかもしれませんが
自分的には
今、この作品はパーフェクトでした
文庫化されてから
いつも書店で気になっていた本作品
約2年の間
平積みで置かれていて
タイトルのパワーに引っ張られつつ
なぜか手にしていなかった
 
で、順番はクジラの方が先になり
クジラがこの作品に導いてくれた
 
ダメだけど頑張っている人の話
大切なのは
頑張っているダメな人の話ではないところだと思う
その気持ちが「ふがいない」という
美しい日本語に込められているのではないだろうか
 
 ミクマリ
 世界ヲ覆フ蜘蛛ノ糸
 2035年のオーガズム
 セイタカアワダチソウの空
 花粉・受粉
 
五つの短編で構成される
とある町の物語
セックスにハマる男子高校生
不妊治療と不倫に励む主婦
ふられた女子高校生
貧乏で悲惨な環境の友人
彼を助ける「変態」エリート
嫌いでもないのに同級生を陥れる友人
そして母
 
それぞれがダメなんだけど
そして、決してダメから解放されないんだけど
ちょっとは上向きかもしれないけど
あんまり変わらない
その塩梅が
あまりにも絶妙すぎて
 
こんな微妙なラインを読み続けることが出来る感動
外れず、外さず
でも、規格外の心の「振れ」が仕込まれている
この読後感はなんと表現すべきか
喜怒哀楽の四要素が
一気に襲ってきて
心を蹂躙しまくって
爽やかに去っていってしまう 
とでも言えようか
 
ここまで複雑な気持ちに
穏やかなアプローチで持って行ってくれる
最高です
  
   
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから

 
はてな年間100冊読書クラブ
(20121021-20131020.161/144)
(20111021-20121020.166/144) 
(20101021-20111020.159/144)
(20091021-20101020.150/122)
(20081021-20091020.139/122)
(20071021-20081020.134/122)
(20061021-20071020.133/122)
(20051021-20061020.128/108)