沖縄の嫌な部分だけがジッと沁み出してくる
「犬なら普通のこと」(35/144)
東京から沖縄に舞い戻った冴えないアラフィフやくざ・ヨシミ
一念発起して
組の金の強奪を計画する
沖縄の緩い雰囲気の中での緩い計画は
予想外の出来事により
あっけなく破綻
その場に居合わせた組長まで殺ってしまった……
さあ、どうするヨシミ
計画をサポートさせた彬とともに
緊張感の中に、なぜか「ドタバタ」が介在する二日間が始まった
米軍基地の意味、台湾の政権交代、中国の台頭と言った
この地域の政治的環境をしっかりとベースに引きつつ
基本的に撃った、死んだのハードボイルドなのだが
全般的に沖縄の緩い感じが流れる
沖縄の方言で差し込まれる会話も
人の生き死にを大したことない出来事のように優しく包み込む
がしかし
ヨシミ、彬、そして女性の登場人物、森と早枝子が背負う暗く重い過去が
その沖縄の中で暴発寸前で燻っている
そのキリキリした感じが
痺れます
沖縄は天国だけど
それと同じだけの地獄を孕んでいる
それはどこだって同じだけど
沖縄のそれは
より鮮やかなのかもしれない
ああ、沖縄、行ってみたいな(仕事ではなくて)
※はてな年間100冊読書クラブ
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