楽しめ、不安を
「あの女」(109/144)
オカルトな物語だな、と読み始め
一番怖いのは生きている人間だという結末に落ち着く
女は怖いな、と思いつつ
男もどっこいどっこいだなという結論にたどり着く
ちょっとネタばれかもしれないけど
物語をストーリーを追うことをせずに
全体を俯瞰してみるならば
時間を越えた
女の作家二人と男の編集者の三角関係の話
ただ、この三角関係には
愛情、つまり好きだ嫌いだという要素の他に
ビジネスの要素が絡む
で、このビジネスの内容が
銀行の融資の話とか、何か新製品開発の話ならば
まあ、池井戸タッチな展開もあるかもしれない
だが、ここは小説
このビジネスの根幹はあくまでも一人である
ここが人を「狂わせる」のだ
ホント、色々な読み方がある作品だと思う
でも、筋がガツンと通っているので
読んでいて、実は全くブレない
少し、物語を追うごとに不安になるかもしれないけど
思う存分、不安になって問題なし
自分の理解が間違っているのでは…と思うときは
素直にそう思っていればOK
その不安もじっくり楽しめる
秀作です
※はてな年間100冊読書クラブ(20131021-20141020.164/144)
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