趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

渾身の一撃

「鍵のない夢を見る」(132/144)  

 

 

これで直木賞です

選考する方も(褒め言葉としての)ズルいですね

ココから、多くの人に、辻村作品を読ませようとするなんて

ちょっと、 巧み

ここから入って「くじら」とかにぶつかったら

一生、離れられなくなることでしょう、辻村深月という作家さんから 

 

些細な犯罪に纏わる

どこにでもいる、普通より、ちょっとダメな感じの

女性、五人を取り巻く物語

救われない

ハッピーエンドが待っているわけない

そんなリアルを

淡々と書き綴る辻村

この静かなドラマに最大限の本気を感じる

 

 仁志野町の泥棒

友達のお母さんが「泥棒」なんです

その罪を

隠蔽するというか、なんというか、切なくて

そして、その友達が…

 

 石蕗南地区の放火

放火事件が発生

そこには

一度だけデートに行ったことのある

本当に嫌いな男の影が…

その事件の中で揺れる汚れた女心の行きつく先は…


 美弥谷団地の逃亡者

ダメな男につかまって

真っ当な判断をくだすことが出来なくなってしまった女が

自分を取り戻すまでに

何を失ったのか…


 芹葉大学の夢と殺人

ダメというより痛い男にハマってしまった女

この泥沼は

まさに底なしです

 

 君本家の誘拐

育児ノイローゼの母

子供から逃げたいわけではない

でも、でも

ある日、ショッピングモールで

子供が忽然と消えたのだが…

 

女の人の、男から見ると実に不思議な心の動きが

そのままに

ちゃんとした説明とか無く

一歩間違えば、垂れ流し状態で描いている

そのギリギリのライン

辻村の筆力で

この「垂れ流し」がチラリと輝く

決して楽しい話ではない

でも、悲しいだけでもないんです

 

いや、圧巻

すぐに読めるけど、凄い

もっともっと、辻村を読みたくなりました

 

  

 

もう一つの趣味は「ランニング」ですから

はてな年間100冊読書クラブ

(20131021-20141020.164/144)
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