こういう作品を書ける人が日本にいることを忘れないでください
「アルモニカ・ディアボリカ」(102/144)
あの傑作、「開かせていただき光栄です」から5年
また不可解な死体が発見された
18世紀のロンドン
相変わらず汚いこの町で
死体の謎を追ううちに
あの事件後、失踪していた仲間との衝撃の出会いがやってくる
なぜ!?
過去の事件と今の事件のつながりが
そこには
残虐な「精神病院」の存在が
普通の人間が
策略により監禁されている病院で
何が起こっていたのか
権力者のエゴにより
人生をあっけなく潰された人間たちの悲劇
そこに事件の真相はあるのか?
もう、素晴らしすぎる
完璧だ
あらゆる要素を兼ね備えた傑作でしょう
ただし、前作を含んでのことです
もちろん、本作品単一でも
十分に楽しめるが
本作品のメインテーマでもある
ナイジェルの一生という点を深く味わうためには
彼が生きていた
前作を読むべきでしょう
で、18世紀という
今に比べれば非常に全てが未完成である
法のシステムも警察のシステムも
捜査の進め方も当然
政治のやり方
統治の方法
その他、全てにおいて「野蛮」で理性に欠けている
でも
人の心は
今とはあまり変わっていない
ほぼ同じだ
そこに悲しみがあり
喜びがあり
憎しみも生まれ
このミステリが完成するのだ
長いので大変だとは思いますが
ぜひ、チャレンジしてもらいたい作品です
皆川の凄さ
感じてほしいです
こういう作品を書ける人が
日本にいることを忘れないでください
(20141021-20151020.165/144)
(20131021-20141020.164/144)
(20121021-20131020.161/144)
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(20081021-20091020.139/122)
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(20051021-20061020.128/108)