殺伐とした不思議
「夜また夜の深い夜」(157/144)
不思議な物語でした
海外を転々とする母と娘
娘に国籍はない
母の本当の名前も知らない
そんな娘が
ナポリで母から逃げて
犯罪に手を染めながら
行き伸びていく
そして
最後に母と自分の真実を知る
小説は
その娘が
難民キャンプ育ちで
両親が、多分、テロリスト、政治犯であろう
時々メディアにも登場する「七海さん」に出す手紙
という形で進行していく
娘はちゃんとした教育も受けず
母の制限により
友達もいないまま育ってきたため
異常なまでの「世間知らず」であります
それが
この殺伐とした舞台設定に
ゆるやかな空気を醸し出しているで
不思議なんです
母と娘の正体の意外性
そこに関しては
ミステリ的な要素が楽しめますよ
でも
そこよりは
この深い深い世界を堪能してください
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