趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

覚悟の読書

「英雄の書・上」(132/144)
「英雄の書・下」(133/144) 
 
 
宮部みゆきのファンタジー
久しぶりでした
で、これはハイブローですよ
ファンタジーの形をしながらも、ここまで書くか
悲しい現実を…あえてファンタジーにする
ファンタジーだからこそ
現実の無様さがポッカりと浮き上がる
過酷な作品でした
 
この物語の表面をなぞるならば
主人公は10歳の女の子、友理子
ある日、突然、14歳の兄が同級生をナイフで刺したらしい 
どう考えても腑に落ちない
そんな兄じゃない!
兄の行動の「謎」を求める友理子はひょんなきっかけで「本」に出会い
物語の世界に引きずり込まれていく 
そこから始まる様々な冒険
額に紋章を刻み、魔力を身につけ
友理子は「オルキャスト」として兄を探すのだ
 
で、普通のファンタジーなら
様々な苦難を乗り越えて
最後には、兄を見つけ、助け出すのですが、、、
 
そんな甘い世界じゃない
世の中の善と悪の根源的な構造を
人々が語り、書き記し、紡ぐ「物語」という魔物に託した宮部のメッセージは
厳しく、冷たい
そして重い
決して楽しい気分になれないし
単純な興奮も味わえない
そんな読書、上級者向けです
試して欲しい作品です
なぜ、ファンタジーなのか
それを考える作業が
圧倒的にドキドキワクワクです
 
これを書ける宮部みゆき
やっぱ凄いな
 
  
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから

英雄の書〈上〉 (新潮文庫)

英雄の書〈上〉 (新潮文庫)

英雄の書〈下〉 (新潮文庫)

英雄の書〈下〉 (新潮文庫)

はてな年間100冊読書クラブ
(20101021-20111020.159/144)
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