危険だからこそ、惹きつけられる
「毒猿 新宿鮫2」(122/122)
ああ、なんて人間は矛盾した存在なんだろうか。
何故に自ら危険地帯に足を踏み入れてしまうのか?
大沢在昌のマスターピース、新宿鮫第二段。
1991年作品。
だけど、古くない。
逆にあの時代のスピード感は、今を越えてるから、
非常に新しい、輝いてる、活きている。
でも、それは、全て、歌舞伎町という、24時間眠らない暗闇の中の話。
今回は台湾マフィアが「活躍」する。
所狭しと、殺生を繰り返す。
それも、或る時は派手に、或る時は地味に。
そのメリハリが、
この作品を、傑作にしているのかなあ。
歌舞伎町、大好きです。
一番好きなエリアです。
なぜなのか?
それはきっと、
あの街にはルールがあるから。
そのルールは危険か?
そんなことは無いと思う。
どんな危険なルールでも、
守っていれば安全なんです。
だって、各種格闘技のルールとか、冷静に考えるとおかしいでしょ。
人を殴ったり蹴ったりしていいルールですよ。
でも、お互いにそのルールを守っているから成立している世界であって。
そのギリギリな感じ。
歌舞伎町の危険なルールを、
この作品は、
エンタテインメントという流儀のなかで、
切々と語りかけている気がします。
新宿鮫、一気読みかな。
※はてな年間100冊読書クラブ(2005-2006.128/108)
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で、おかげさまで、今年も約一ヶ月前倒しで目標達成しました。
来期の目標、どうしようかなあ、と思いつつ、
やっぱり、趣味は読書ですから!
- 作者: 大沢在昌
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